Aさん宅に事業者がやってきて「床下の無料点検サービスをしています」と言われたため頼んだところ、床下に潜った後、「カビや湿気がひどく、このままにしておくと家が倒れてしまいます」と言って床下換気扇の取り付けと調湿剤の散布を勧められた。心配になったAさんはその業者に工事を依頼したところ、工事完了後に50万円を請求された。その場では仕方なく支払いに合意したが、後日知り合いに見てもらうといい加減な工事しかしていないことが判明した。そこでAさんは電話で業者に解約の申し出をしたが、すでに工事が完了しているのでクーリングオフはできないと言われた。Aさんは支払いを拒否できるのか?

こういった事例はとくに高齢者宅で被害が頻発しています。いわゆる点検商法と呼ばれるもので、「無料です」「点検にきました」と言って、家に上がり素人ではわからないような住宅の欠陥を指摘され、結局は高額な工事代金を請求されるというケースが少なくありません。
訪問販売では業者は目的を告げて勧誘しなければなりませんが、今回の場合は「無料点検」と言って販売目的を告げていません。さらに「このままでは家が倒れる」とウソをついているので、期間が過ぎていても契約を取り消すことができます。(特商法9条2、24条2)
たとえ工事が完了していても書面受領日から8日以内であればクーリングオフは可能です。床下も工事前の状態に戻してもらうように要求することができます。その場合、業者は相手に対していかなる名目の金銭も要求することができません。原状回復義務は業者側にあり、費用はすべて業者が負担しなければなりません。
住宅リフォームの場合は、気づいたときには、すでにリフォーム工事が終わっていた・住宅リフォーム業者が「すでに工事が始まっているから解約なんてされたら困る」と言ってくるのでなくなく諦めてしまったという相談事例も見られます。

Aさんは訪問販売によりB会社の販売員からアルミテラスを購入する契約をしました。価格は本体が30万円、取り付け料が20万円の合計50万円でした。B会社は契約の翌日からすぐに工事を始めました。しかし、Aさんは家族と相談した結果、契約した日から3日後にクーリングオフをしようと思い、B会社に連絡しました。ところがB会社は「役務付帯付契約なのでクーリングオフはできない。どうしても解約するというのなら、工事をすでに始めているので現場の人たちの日当とすでに使用した材料費の合計10万円を支払ってもらいたい」と言ってきます。Aさんはこれを払わなければならないのでしょうか?

今回の事例は、工事付きの商品販売契約です。工事つきの商品販売契約の場合、工事をすることが商品販売の条件となっており、その商品が「指定商品」であればクーリングオフをすることができます。クーリングオフは無条件・無理由での強制解約権ですので工事費などの支払義務も生じません。支払った金銭も返してもらえます。また、工事などにより現状が変更されている場合は無償で原状回復をするように請求することもできます。住宅リフォームの場合は、サービスが商品となっているため注意が必要です。住宅リフォーム業者は巧みな話術で交渉をしてきます。
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